あれは
とても寒くて息も凍りつくような夜でした。
わたしの車はネオンに揺らぐ
三軒茶屋という街の一角にある信号待ちで
止まっていました。
わたしの車から
ガードレールを左側に挟んで
歩道を向こうから
歩いてくる女性がいました。
もちろん身も知らない女性。
グレーのコートを羽織り、
髪が長く
佇まいがとても綺麗な女性が、だんだんと近づいてきました。
近くに来て
初めて彼女が泣いていることに気がつきました。
歩きながら
泣いてる女性を見ることは
初めてかもしれない……
年は20代後半、いや30代前半なのかな。
その人はとても清楚で、かつ仕事の出来るキャリアが匂ってきそうな
毅然とした大人の女性でした。
仕事帰り?
それともデートの帰り?
それとも病院の帰り?
悲しみをこらえられず
肩を大きく揺らせながら泣いてる
なんだか
その光景が外国映画のワンシーンのように見えて、
わたしは彼女の、悲しみが
なぜかスクリーンの中のもののように思えて美しく感じた。
悲しみ、苦しみ、もがき、なやみ、泣き、わめき、
人は誰でもそんな中に生きているよね。
そして、
明日の中にある笑顔を求めて生きている。
彼女は
わたしの横をすり抜けてバックミラーの中で小さくなっていった。
この外国映画の中のヒロインの、
涙のわけは
わからないけど……
でも、はっとするような
とても奥深い光景だった……
彼女に、幸あれ。
そんな、ことを、思いながら
アクセルを踏んだ。
三軒茶屋の夜でした。
11 件のコメント
それも夜なんですね。
その彼女の後が気になります。
女性が肩を揺らせながら走り去るって
尋常ではないですね。
そして、悦子さんはアクセルを踏んだ。
三軒茶屋ストーリ、ありがとうございます。
押忍
きっと彼女にもえっちゃんの思い伝わってくれるといいですね…!幸多き人生を送ってもらいたいですね‼
人生まさに、山あり谷ありですよね!
前を向いてまっすぐ生きる‼振り返らずに……!
そんな三軒茶屋の夜があったのですね。
その女性はきっと、その後初めて見る花から優しさをもらうのでしょうね。
その花は、その女性の心を癒し、勇気づけ、その女性の心に深く焼き付くのでしょうね。
花って、そんな力を持っていると思います。
その女性に幸あれ!
今日の笑顔が明日は涙に暮れているかもしれません。
それが怖くていつしか感じることを遠ざけて生きているような気がします。
剛さんの唄が、最大の支えであり現実から目を背けてる自分の頭にバケツで水をぶっかけられている気がします。MySelfの歌詞が浮かびました。
友人に女性の病気が見つかった・・・
彼女も泣いたらしい・・・
話を聞いて、いつも通りに見守るしか
出来ないけれど・・・
みんなに幸あれ!!
号泣しながら歩いてたら気になりますね。
ドラマチックな人生ばかりじゃないでしょうけど人の数だけドラマがあるのかな。
私は泣き虫で外で泣く事もありましたが間違っても外国映画のワンシーンのように美しくありません笑
嬉しくて泣く事はあまりないです^^;
肩を震わせて泣くなんて嬉し泣きではなさそう。
そこまで泣くのは辛い事があった感じですね。
彼氏と別れてしまったのか…。
満開の桜を見て少しでも気持ちがラクになるといいなぁ。
つらいこと、、あったんだね。
流れ星さんにも、幸あれ。